外壁・屋根塗装でのカラーシミュレーションを活用した色選び

外壁・屋根塗装で、最も皆さんが悩まれるのが新たな塗料の色選びです。外壁・屋根の色は、仕上がりに大きな影響を与えるため、色選びは慎重に行う必要があります。

しかし、色見本やカタログを見ただけでは、なかなか全体のイメージが難しく、一度塗ってしまえば簡単にやり直すということもできません。

そんなお悩みを手助けしてくれる有効なツールの一つがカラーシミュレーションです。

色選びで後悔しないために、カラーシミュレーションを活用する際のポイントや注意点、色の見え方による印象の違いをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

カラーシミュレーションとは


カラーシミュレーションとは、専用のソフトやアプリを使用して複数のカラーパターンをシミュレートする技術のことです。

実際の建物のデータや写真を取り込んで、気軽に数多くのカラーパターンを試すことができるので、完成後のイメージがしやすく、色選びに対する不安を軽減することができます。

また、ツートンカラーなど異なる色の組合せやアクセントカラーを試してみることで、自分の好みや周囲の環境に最適なデザインが見つけやすくなるというメリットもあります。

カラーシミュレーションの流れ

塗装業者にカラーシミュレーションを依頼した際の一般的な流れは以下の通りです。

1.建物の写真撮影


まずは、業者がご自宅へ訪問し対象となる建物の外観を撮影します。撮影する写真は、建物全体の外観はもちろんのこと近隣との調和も考え隣家も入るように撮影をします。

2.色見本の検討


塗料メーカーのカタログや色見本帳、塗り板を使って、色の候補を決めます。

3.シミュレーション画像の作成


シュミレーション用のソフトに、撮影した写真のデータを取り込み選んだ色を合成することで、実際の外観のイメージが確認できるようになります。

4.シミュレーション結果の確認


複数のカラーパターンを作成し比較検討をします。この時、外壁や屋根の配色のバランスだけではなく、実際に塗装した際に周囲の景観と調和できているかなども確認するようにしましょう。

5.色の最終決定


最後に、色の確認のために実際の塗り板を確認して、最終的な色を決定します。

色選びのポイント

周囲の建物や街並みと調和した色を選ぶ


自分の好みの色を選ぶことも大切ですが、周囲の建物の色や街並みと調和した色を選ぶことも重要です。

ベージュやグレーなどの落ち着いた色は他の色にも馴染みやすいですが、派手な色や奇抜な色など周囲の雰囲気とかけ離れた色を選んでしまうと、建物が浮いてしまったりバランスが悪くなって景観が損なわれてしまいます。

近隣トラブルを避けるためにも、周辺の雰囲気や景観にも配慮して色を選ぶようにしましょう。

家全体の色のバランスを考える


外壁・屋根塗装の色選びでは、「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の3色を基本に色の構成を考えていきましょう。

一般的に配色の比率は、ベースカラー70%、アソートカラー25%、アクセントカラー5%が黄金比率と言われています。アソートカラーとは、ベースカラーを引き立てる色のことで従属色や配合色とも呼ばれます。

強調色であるアクセントカラーとアソートカラーを組み合わせることで、全体のバランスを整えまとまりのある配色に仕上がります。

色の見え方による印象の違い

全く同じ色を選んだとしても、色の印象は見え方によっても違いがあります。そのため、外壁・屋根塗装の配色を考える上では、面積や日当たり具合、周囲の建物のバランスなどにも注意が必要です。

色の見え方で注意したいポイントは以下の通りです。

面積効果


面積効果とは、小さい面積で見るより大きい面積で見たほうが同じ色でも明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見える現象のことです。

色見本帳や塗り板に比べて面積の広い外壁では、明るめの色では色見本帳やカラーシミュレーションよりもワントーン暗め、暗めの色であればはワントーン明るめの色を選ぶと理想の色に近づきやすくなります。

反射率


反射率とは、太陽の光の量が多い時と少ない時で見え方が変わる現象のことです。反射率の高い晴の日や日当たりのいい箇所では思っていたよりも明るい色に見えてしまいます。

反対に、反射率の低い曇りの日や日当たりの悪い箇所では、思っていたよりも暗く見えてしまいます。そのため、色選びの際には、太陽光が当たった時の見え方や立地条件などもきちんと確認しておくようにしましょう。

膨張・収縮


実際の大きさよりも建物が大きく見える色は「膨張色」、小さく見える色は「収縮色」と呼ばれています。

一般的に、青・水色・青緑色などの「寒色系」の色に比べて赤・オレンジ・黄色・白色などの「暖色系」の色の方が膨張してより広く・より大きく見せることが出来ます。

また、明度の差によってもよっても見え方は異なり、明るい色ほど実際の大きさよりも大きく見える傾向があります。

進出・後退


同じ場所にある建物でも、近くに感じたり飛び出して見えるような色は「進出色」、遠くに感じたりで後ろに下がって見えるような色は「後退色」と呼ばれています。

膨張職と収縮色の関係に似ていますが、暖色系の色で、彩度や明度が高い色の方が近くに感じ、寒色系の色で、彩度や明度が低い色の方が遠くに感じられます。

対比・同化現象


対比現象とは、2色以上の色を単色で識別しにくい配置にしたい際に、色の違いが際立って見える現象のことです。

反対に、2色以上の色を単色で識別しにくい配置にしたい際に、隣接する色に近づいて見える現象のことを同化現象と呼びます。色の面積が小さく、色相・明度・彩度が近似しているほど、同化現象は起こりやすくなります。

カラーシミュレーションの注意点


カラーシミュレーションは、色々な配色をテストできる便利なツールですが、ディスプレイやプリンターなどの違いによって色に違いが出てしまうため、色の細かな違いまでは分かりにくい傾向があります。

そのため、あくまでも全体のイメージを把握するための参考画像として活用するようにしましょう。

まとめ

カラーシミュレーションを活用することで、色の配色を視覚的に確認することができ、塗り替え後のイメージがしやすくなるというメリットがあります。

また、プロの塗装業者に相談することで、汚れが目立ちにくい色や人気のある色、退色しにくい色など、プロならではの視点からアドバイスを受けることができます。

色選びで悩んでいる場合には、まずはプロに相談してみてください。

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