マンションやビルなどの屋上は塗装工事ではなく、防水工事を行い防水性を保つことが重要です。
また、防水性が低下すると様々な問題が発生するので、防水工事が必要な屋根についてや工事方法について知っておくことは大切です。
このページでは屋上防水の種類や費用、劣化症状について紹介します。
防水工事とは、水の侵入を防ぎ、漏出を制御する工事で、主な目的は雨水対策・漏水対策・地下水対策の3つになります。
防水工事を行わない場合、亀裂や継ぎ目などから雨水、生活用水、地下水が侵入し、建物に大きな影響を与えてしまいます。特に屋上は雨風や紫外線など外気の影響を受けやすいため、状況が悪化すると建物の腐食が進み、倒壊する危険性もあるので屋上防水はとても重要です。
メンテナンスを行う時期は工法や環境などによって異なりますが、10年前後で行うのが望ましいです。
屋上防水が必要な建物は、マンションやビルなどの屋上、戸建ての場合は陸屋根(平らな屋根)になります。
このような屋根は、三角屋根と違い雨水が屋上に溜まり、水が建物内部に浸入しやすくなるので、塗装工事ではなく防水工事を行います。
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を流し込んで防水層を形成していく工法で、戸建てのベランダやバルコニー、屋上で用いられます。
液体を使用するので継ぎ目のない防水層ができるので、継ぎ目から水が侵入するリスクがなく、どんな形状の場所でも施工が可能です。さらに、異なる防水層が施工されている場合でも、その上から施工することができます。
耐用年数は8年~12年程で、費用は㎡あたり4,000円~7,000円が相場になります。
FRP防水とは、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)とポリエステル樹脂を重ねて防水層を形成していく工法で、戸建てのベランダやバルコニー、屋上で用いられます。
軽量ながら頑丈で傷が付きにくく、熱や化学薬品にも強いのが特徴です。また、硬化が早いので工期を短く済ませることできます。
耐用年数は10年~12年程で、費用は㎡あたり5,000円~8,000円が相場になります。
シート防水とは、ゴムシートや塩ビシートを専用の接着剤や機械で貼り付けていく工法で、広い面積を一気で施工できるため、マンションやビルなどの屋上に用いられます。
現在では塩ビシートが主流となっており、紫外線や熱に強く、優れた耐久性を持っています。さらに、耐摩擦性もあるので軽歩行が可能になります。
シート状なので異なる防水層の上に被せて施工できますが、シートを貼り付けるので、施工面は平らでなければなりません。複雑な形状の場所で施工すると、結合部分で剥離を起こす場合があります。
耐用年数は10年~15年程で、費用は㎡あたり4,000円~8,000円が相場になります。
アスファルト防水とは、合成繊維不織布にアスファルトをコーティングしたルーフィングと呼ばれるシートを貼り重ねていく工法で、マンションやビルなどの屋上に用いられます。
100年以上の歴史があり、水や紫外線に強く、強度もあるのが特徴です。以前は施工中に臭いが発生するため、戸建てではあまり採用されませんでしたが、最近では臭いや煙を抑えた工法が主流となっているため、戸建てでも施工しやすくなってきています。
耐用年数は15年~20年程で、費用は㎡あたり5,000円~8,000円が相場になります。
ひび割れが発生している場合は、亀裂部分から水が侵入して雨漏りに繋がる可能性が高いため、早めの対処が必要です。
剥がれや膨れは水が入り込んでいる証拠なので、早めの対処が必要です。放っておくと防水層が破裂して雨漏りに繋がります。
雑草の根が防水層まで伸びている場合は、防水層の下まで水が侵入している証拠です。ただし、雑草を見つけても、むやみに抜かないようにしましょう。防水層が破損する恐れがあります。
水が溜まっている場合は、勾配不足または水を流す排水溝の役割をするドレンが機能していない可能性があり、放っておくと劣化を早めてしまい雨漏りに繋がります。
勾配不足の原因は、建築時の施工不良が考えられます。また、ドレンはゴミや落ち葉などが溜まっているとうまく機能しないため、定期的に掃除する必要があります。
雨漏りが発生している場合は、早急な対処が必要です。放っておくと雨漏りが悪化するのはもちろん、建物自体が腐食し耐震性にも関わります。
また、建物全体が劣化すると屋上防水だけでは対処しきれず、内部の修繕も必要になるので費用も高額になります。
屋上防水はマンションやビルだけではなく、陸屋根の戸建てでも行う工事で、水の侵入や雨漏りを防ぐ目的があります。
建物を守るためにも定期的に点検をして、建物や環境にあった防水工事を行ことが大切です。そのためにも、防水工事の工法や費用をしっかりと理解しておくようにしましょう。