建物における防水工事の目的は雨漏りを防ぐ事はもちろんですが、生活水などの漏水を防ぐために欠かせません。戸建て住宅はも勿論ですがビル、マンションなどの防水の重要性は言うまでもありません。防水の基本は建物の内部に水を通させない膜を作ることが最大の目的です。
建築物を作る際にはも防水を意識して設計や施工をしておりますがそれだけでは100%安心とはいえません。定期的な点検をして必要に応じてメンテナンスを行う必要がありますし、不具合箇所には適した形で防水を再度、施すことが必要不可欠となります。防水の施工工法様々ですが、水を通さない膜を使用する工法にはシートによる防水(シート防水)や液状の樹脂を使用する施工では塗膜防水工法などがあります。
また、外壁や窓枠や部材の継目にシーリング剤を埋め込んで行うシーリング防水もあります。また、工法における分類ではシート防水、塗膜防水の他にも塗ることと、貼ることを組み合わせたたアスファルト防水もありますが、それぞれ目的と用途に合わせて選択をする必要があります。
自分自身で身近に確認できる防水で一番分かりやすいのは、住まいの壁などの目地に埋め込まれたシーリング剤が傷んでいないかどうかです。また、壁や屋根にヒビが入っているかどうかのチェックも欠かせません。ヒビや隙間に水が入り込んでくると雨漏りの原因になるので、見つけたら早めに適切な処置が必要となります。
また、現状に防水処理がされていても防水シートが切れていたり、めくれていたり、継目に隙間がある場合や、防水目的で塗装した塗料が剥がれているかどうかなども、定期的にチェックを行うとよいでしょう。
防水チェックで必要なことは、外壁の防水は主にヒビ割れにたいする補修です。屋根の防水は防水槽の劣化やシートの破損なども見られます。防水の寿命は10年から15年くらいと言われていますが、立地条件により、異なります。また、表面塗膜の保護防水のみのメンテナンスでも寿命を延ばすこともできますので、定期的に補修の必要性があるところには早めに補修を行うのが望ましいのでし、良い状態を保持する事が出来ます。
防水工事には沢山の種類がありますが、どの防水工事にも共通して言えるのは、必ず仕上げは防水トップコートを塗布をうということです。これは太陽光からの紫外線の影響を防ぐためです。防水層の傷みが比較的軽い場合は、先ほどの保守メンテナンスとしてトップコートを塗り替えます。保護防水は手間としてはそれほどかからず、それだけでも十分に効果があるのです。防水工事も目的としては表面塗膜のチョーキング現象が見受けられる場合など、このような対策をするだけで、建物の不具合の発生を防ぐことと、寿命を延ばすことにも繋がります。
防水層の耐用年限とは、どれくらいのものなのでしょうか。一般的に使用されている言葉で「耐用年数」というのがあるが、この意味は『広辞苑』によると、企業のもつ固定資産が使用に耐えうる期間となり、原価償却の重要な目安となるものとして、法令で定められていると解説されています。
防水層の耐用年限というのも同じようなもので、防水層が防水機能を有している期間、つまり、防水層が老化・劣化してその機能を失い、漏水が発生してくるようになるまでの年数のことである。
よく、保証期間と混同されているが、保証期間は防水工法の種類に関係なく10年となっているが現状であり、仕様書、及び設計図書通りに施工されており、保証期間に漏水事故などが発生した場合、その原因が工事の欠陥であった場合には、無償で補修するというものである。
しかし、耐用年限は、防水構法の種類、防水工法の種類およびグレードなどによって、それぞれ異なってくるものであり、一概に何年といってことは難しいが、一般的に工事保証期間の2~3倍の年数といわれています。しかし、耐用年限・保証期間とも共通していえることは、施工時の条件によって、その期間が左右されるということを予め知っておく必要があります。
FRP防水は、Fiber Reinforced Plastics の略で、ガラス繊維の不織布を補強材にして、主剤と硬化剤の2成分からなる樹脂系塗膜材を、こて・ヘラ・スクイジーおよび毛ばけなどを用いて塗布して防水層をつくる工法です。
この工法の施工範囲は、屋上・駐車場・開放廊下・ベランダおよびバルコニーなどに施工されます。FRP防水の主な特徴としては、塗膜が固く歩行に適しておりますが、その分追従性に弱く塗膜が割れやすい、デメリットもあります。近年の戸建住宅ではFRP防水の仕様がおおく見受けられます。
ゴムアスファルト系吹付け工法とは、主剤はアスファルト乳剤と合成ゴムを主原料とし、これに、安定剤・充てん剤などを添加したエマルジョンタイプの防水材で、これに塩化カルシウムなどの水溶液である分解剤を、専用機械を用いて吹付けて防水層をつくる工法です。
吹き付け機会は、主剤と分解剤を同時に吸い込み、吹付けガンの2本の吹き出し口からそれぞれ別々に吹き出た瞬間に混合され、直接下地面に付着して造膜して、防水層を作ります。この工法の適用範囲は、地下外壁となります。
ポリマーセメント系塗膜防水工法は、セメント系防水のなかの一種であり、ポリマー物質が得られる水硬性無機粉体(セメントとけい砂ほか)と高分子エマルジョン(ポマーディスパージョン)を混合して塗り付け、水和反応によって凝集硬化して造膜させ防水層をつくる工法となります。
使用される材料は、材料メーカーによって多少異なるため、施工にあたってはメーカーの指示による部分が多い。一般的には、前述のように高分子エマルジョンの溶液の中に水硬性の無機粉体を少量ずつ加えながらハンドミキサーを用いて混練した材料を、はけ・ヘラ・こてなどを用いて塗り付けるか、機械を用いて吹き付けます。この工法の適用範囲は、一般に地下外壁および水槽類などである。
アスファルト防水とは、アスファルト系の素材を用いて施工する防水方法ですが、アスファルト防水層には、熱工法、常温工法、トーチ工法などの工法があります。
熱工法とは、溶融アスファルトを用いて、2~4枚のルーフィング類を積層して防水層を作る工法となります。
常温工法とは、粘着層付きルーフィング、または常温で液状のアスファルト類を用いて、ルーフイング類を2枚程度積層して、防水層を作る工法となります。
トーチ工法とは、トーチばーな等を用いて、厚さ3、0㎜~4、0㎜程度の改質アスファルトルーフィング1~2枚を直接あぶって溶融しながら張り付けて防水層を作る工法となります。
アスファルト防水工法は誰でも簡単に施工が出来るわけではありません。知識と技術が必要となります。
超速硬化型防水構法は、主剤と硬化剤の2成分からなるウレタン防水材を、機械で吹き付ける工法です。吹き付け機械は、主剤と硬化剤を別々に吸い上げて、専用ガンの2本の吹き出し口からそれぞれ別々に噴霧状に噴射されます。噴射された瞬間に混合され下地面に付着して造膜して防水層を作ります。
超速硬化型防水工法は、主にマンションやアパートなどの共用部分など、施工が困難な個所の部位での採用が多く、施工工程回数が軽減されるのは勿論ですが、乾燥時間が通常の防水工法と比較しても短縮されるので、工事期間の短縮にも繋がります。