サイディングの種類や特徴と塗装料金

サイディングは、現在主流の窯業系以外にも、金属系や木材系があります。それぞれに特徴があり、費用が異なります。

また、経年劣化などが起こるので、定期的なメンテナンスが必要ですが、直張り工法の塗装には注意が必要です。

このページでは、サイディングの特徴、種類と費用、劣化症状、メンテナンス方法と費用について紹介しています。

サイディングの特徴


サイディグは、工場で形成されたパネル状の外壁材で、建物の骨組みに貼り付けて施工を行います。

他の外壁材と比べて、安価で工期が短い特徴があるため、現在の国内における外壁材の80%以上のシェアを占めています。


2種類の厚さがある


サイディングの厚さは、主に14mmと16mm以上の2種類があります。

14mmの方が安価ですが、耐久性と耐火性が劣ります。また、14mmは、釘留め工法で施工を行うのに対して、16mm以上は、金具止め工法で施工を行います。

14mmの釘留め工法は、外壁の表面に釘頭が見えるのでデザイン性が低く、経年劣化によって釘が浮いた場合、釘穴から水が浸入する可能性がります。

16mm以上の金具止め工法は、外壁の内部で固定します。そのため、外壁の表面に釘頭が現れないので、デザインを邪魔することなく、釘穴から水が浸入するもありません。

また、厚みがあるので見た目が豪華で、耐震性にも優れている特徴があります。


サイディングの種類と施工費用

窯業系サイディング

窯業系サイディングは、セメント質と繊維質が原料で、最も普及している外壁材です。耐震性、耐火性に優れて、レンガ調、タイル調などのデザインと色の種類が豊富な特徴があります。

施工費用は、一平米当たり4,000~6,000円が相場です。

金属系サイディング

金属系サイディングは、金属板に樹脂断熱材を加えた外壁材で、窯業系サイディングの次いで普及しています。

非常に軽い特徴があり、窯業系サイディングの3分の1程度の重量です。そのため、既存の外壁に新しい外壁を被せるカバー工法で用いられることが多いです。

また、断熱性、防音性に優れている特徴があります。施工費用は、一平米当たり3,000~5,000円が相場です。

木材系サイディング

木材系サイディングは、木材に塗装を行って作られます。

木の温もりがあり、断熱性が高いメリットがありますが、防火性に劣り水に弱いといったデメリットがあるため、こまめなメンテナンスが必要です。

施工費用は、一平米当たり2,000~3,000円が相場です。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を原料の作られている外壁材です。北米で広く普及している外壁材ですが、日本では、ほとんど普及していません。

シーリングを使わないで施工が出来るので、雨水が内部に侵入しづらい特徴があります。万が一、浸水しても内部が乾燥しやすい構造なので、腐食などの被害が起こりづらいです。

また、軽量なのでカバー工法に適しています。但し、デザインのバリエーションが少ないデメリットがあります。施工費用は、一平米当たり3,000~4,000円が相場です。

サイディングの劣化症状

シーリングの劣化


サイディングの目地は、シーリングが使われており、劣化するとヒビ割れや縮みによる隙間が発生します。隙間が大きくなると、雨水が内部に侵入する可能性があるので注意が必要です。

但し、樹脂系サイディングはシーリングを使用しないので、上記には該当しません。


チョーキング


チョーキングは、サイディングの表面を触ると白い粉が付く現象です。この粉は、塗料が劣化して粉状になっているもので、塗膜の防水機能が損なわれている状態です。

そのため、塗り替えを行うタイミングの目安になります。


ヒビ割れと欠損


サイディングは収縮しなので、ヒビ割れが起こりづらい特徴がありますが、地震が発生して大きく揺れた際に、ヒビ割れや欠損が起こる可能性があります。

ヒビ割れや欠損は、大きさや発生した箇所によって、内部に雨水が入る可能性があります。


反りと浮き


施工不良や地震などの影響で建物が変形すると、サイディングの反りと浮きが発生します。

反りと浮きによって、隙間が生じた場合は、雨水が内部に侵入する可能性があるので、注意が必要です。


サイディングのメンテナンス方法と費用

塗装


塗装は、最も一般店的なメンテナンス方法です。新たに塗料を施工することによって、防水効果が期待できます。シーリングがある場合は、一緒に施工を行うのが一般的です。

使用する塗料によって変わりますが、一般的な30坪の戸建てを施工した場合、80万~100万程度が相場です。


張り替えとカバー工法


外壁材を新しくする場合は、張り替えとカバー工法の2種類があります。

張り替えは、既存の外壁材を剥がして、新しい外壁材を張ります。カバー工法は、既存の外壁材の上から、新しい外壁材を張ります。

カバー工法は、張り替えに比べて工期が短い、費用が安い、断熱性が向上するといったメリットがあります。但し、外壁自体が重くなるため、耐震性が悪くならないように注意が必要です。

一般的な30坪の戸建てを施工した場合、張り替は150~300万円程度が相場で、カバー工法は、130~220万円程度が相場です。


通気工法と直張り工法について

通気工法は、サイディングと防水紙の間に通気層を設ける工法で、直張り工法は、通気層を設けないで直接防水紙にサイディングを貼り付けている工法です。

直張り工法の塗装は注意が必要


直張り工法は、2000年以前に建てられた建物に多く、塗装を行っても塗膜が膨れる可能性があるので、カバー工法で対応する場合が多いです。

通気工法のサイディング内部にある湿気は、通気層を通って外に排出されますが、直張り工法は、通気層が無いので、湿気がサイディングの内側から吸収されて外側に排出されます。その際に、湿気が塗膜を押しあげて膨れが発生します。


まとめ

サイディングは、窯業系サイディング、金属系サイディング、木材系サイディング、樹脂系サイディングの4種類があり、それぞれに特徴があります。

また、経年劣化によって防水機能の低下が起こるので、塗り替えやカバー工法などのメンテナンスが必要です。2000年以前に建てられた建物は、直張り工法の可能性があるので、塗装を行う際は注意が必要です。

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