タイルは、高級感がありデザイン性が高い外壁材ですが、施工費用が高いため採用している戸建ては少ないです。但し、メンテナンス費用が安いため、長期で考えると経済的な外壁材です。
このページでは、外壁タイルメリットとデメリット、種類、施工費用、補修の費用について紹介しています。
外壁タイルは、石や砂などを焼き固めて板状にした建築材で、外壁以外にも内装など様々な箇所で使用されています。
外壁タイルのシェアは、約3.5%程度です。シェアが低い一番の理由は、初期費用が高額なためです。
外壁タイルの施工単価は、1平米当たり13,000~35,000円程度で、延べ床面積30坪の戸建てを施工した場合、200~500万円程度の費用がかかります。
これは、最も普及しているサイディングと比べて、1.5~3倍程度の価格です。
外壁タイルは、立体感があるので、高級感や重厚感を演出することができます。また、表現できるデザインが豊富です。
石や砂は無機物で劣化が非常に少ない特徴があります。これらを原料しているタイルも劣化が少なく、耐久性が高い特徴があり、色褪せもほとんどおこりません。
高温で焼き固めてあるため、非常に硬く傷がつきにいです。
吸水率が非常に低いので、防水効果が高い特徴があります。
タイルの表面は、親水性があるため、雨で汚れが流れ落ちます。また、静電気が発生しづらいので、ホコリが付きにくい特徴があります。
外壁タイルは、10年に一度程度の割合でメンテナンスが必要です。延べ床面積30坪の戸建ての場合、費用は約50万円程度で、サイディングと比べると1/2~3/1程度の金額です。
延べ床面積30坪の戸建ての場合、サイディングは150万円程度が相場で、外壁タイルは200~500万円程度が相場です。
但し、外壁タイルはメンテナンスの費用が安い特徴があります。
施工の品質が悪いと、下地とタイルが十分に密着ないため、タイルの剥離やクラックが生じる可能性があります。
古いくに施工されたタイルは、下地のモルタルが地震の揺れを吸収できずに、タイルへ衝撃が伝わることがあります。この衝撃が原因で、タイルの落下や剥離が発生します。
但し、近年は施工技術が大きく発達したので、剥離や落下が起こる可能性は非常に少ないです。
焼く温度によって、磁器質、せっ器質、陶器質に分けれます。
・磁器質
磁器質は、1250度以上で焼かれたタイルです。硬く透明性があり、耐久性が高い特徴があります。
・せっ器質
せっ器質は、1200度前後で焼かれたタイルです。磁器質よりも透明性や硬さは低いですが、表面を加工して模様などを施すことが可能です。
・陶器質
陶器質は、1000度前後で焼かれたタイルです。磁器質やせっ器質に比べて吸水性が高いため、主に内装で使用されます。
・平物タイル
四角く平面の形状で最も一般的なタイルです。
・ユニットタイル
平物タイルをつなぎ合わせて連結してタイルです。
・役物タイル
特殊な形状をしており、角や開口部などに使用するタイルです。
・小口平タイル
108mm×60mmのタイルで、積みレンガの小さな面と同じサイズになっています。一昔前まではよく使用されていましたが、最近はあまり採用されていません。
・二丁掛タイル
227mm×60mmのタイルで、積みレンガの側面や小口平タイル2つ分と同じサイズです。サイズが大きいため、質感が表現しやすく、現在の主流になっています。
・50角タイル
45mm×45mmの小さいタイルで、モザイクタイルはこのサイズが多いです。外壁に使用する場合は、複数枚を組み合わせてシート状にします。
・45二丁タイル
45mm×95mmのサイズで、50角タイルを2枚並べた大きさです。マンションのの外壁によく採用されています。
接着剤を使用してタイルを張る工法です。一戸建てなど比較的規模が小さい建物に採用されることが多く、水を使わないため、乾式と名付けられています。
乾式工法の中でも、凸凹を利用してタイルを引っ掛けて固定する「引掛け工法」や下地に接着剤でタイルを張る「接着張り工法」などがあります。
モルタルなどを使用してタイルを張る工法です。モルタルを混ぜる際に水を使うため、湿式と名付けられています。
湿式工法の中でも、下地にタイルを張る「圧着張り法」「密着張り法」や、タイルにモルタルを塗って下から貼り付けていく「積上げ張り法」などがあります。
タイル表面の白い汚れは、白華現象(エフロレッセンス)と呼ばれるものです。
タイルの接着面から浸入した雨水が原因で、モルタルに含まれる水酸化カルシウムが溶けだしている状態です。クエン酸を混ぜた水で簡単に洗浄することができますが、時間を置くと再発すること多いです。
建物に大きな劣化を及ぼすものではありませんが、浮きや剥がれの原因になる可能性があります。
浮きや剥がれ・ヒビ割れや破損は、落下や水が建物内部に侵入する可能性があるので、補修が必要です。
1年に1回程度、水洗いで汚れを落とし、10年に1回程度、目地の補修を行います。
目地の補修の費用は、延べ床面積30坪の戸建ての場合、費用は約50万円程度です。
外壁タイルは、高級感があり、様々デザインを表現することができます。
サイディングに比べて耐久性が高く、初期費用が高いですが、メンテナンス費用が安いため、長期で考えると経済的です。