塗料は、シリコンやフッ素といったグレードや水性・油性といった分類以外にも、硬化剤を混ぜるタイミングによって、1液型と2液型があります。
一般的に2液型の方が性能が高いと言われていますが、1液型と2液型のそれぞれにメリットとデメリットがあります。
このページでは、1液型と2液型の塗料の違い、メリットとデメリット、選ぶ際のポイントについて紹介しています
1液型は、塗料缶にそのまま塗装ができる状態の塗料が入っています。
2液型は、主材と硬化剤がセットで販売されており、塗装する前に主材と硬化剤を混ぜて使います。硬化剤を入れる事で、硬化反応を促して塗料が固まります。
元々は2液型の塗料しかありませんでした。2液型は、硬化剤を混ぜると数時間で完全に固まってしまうので、必要な量をその都度作る必要があります。硬化剤と主材を正しい比率で混ぜるのに時間がかかるめ、作業時間が長くなるデメリットがあります。
2液型のデメリットを解消する為に開発されたのが1液型です。硬化剤を混ぜる必要がないので、2液型と比べて作業時間が短縮できるメリットがあります。
1液型と2液型には、それぞれ下記のメリットとデメリットがあります。
・価格が安い
・硬化剤を混ぜる手間がない
・翌日も使える
・耐久性が低い
・未開封でも保管期間が短い
・塗装できる建材に制限がある
・耐久性が高い
・硬化剤を混ぜなければ長期間保存できる
・塗装できる建材が多い
・価格が高い
・硬化剤を混ぜたら数時間で使用する必要がある
・混ぜるのに手間がかかり、作業時間が長くなる
1液型は、2液型と比べて1割ぐらい安いです。一般的なシリコン塗料の平米単価が2,000円程度なので、1液型と2液型を比べた場合、平米単価で200円の差があります。
一般的な30坪の戸建の場合、外壁の面積は140平米程度なので、1液型と2液の施工料金の差は、28,000円程度です。
2液型は、1液型よりも耐久年数が長い特徴があります。2液型の方が塗膜の密着性が高いため、紫外線や雨風による劣化に対して強い特徴がりあります。
塗料の種類や立地条件にもありますが、一般的に3年程度の差があります。
2液型は、塗膜の密着性が高いため、様々な建材を塗装する事が可能です。一方の1液型は、密着性が弱いので塗装できる建材に限りがあります。
密着性の高さは、硬化剤の化学反応の速さに左右され、速ければ密着性が高くなります。
2液型は、硬化剤を混ぜると一気に化学反応が起きて急速に固まります。一方の1液型は、硬化剤の化学反応が遅いので、2液型と比べて密着が弱い特徴があります。
塗料の種類によって塗装ができる建材は変わりますが、一般的に1液型は、サイディングやモルタル、コンクリートなどに塗装が可能で、2液型は1液型の建材に加えて、金属にも塗装が可能です。
2液型は、主材に硬化剤を混ぜる必要があり、比率が塗料によって細かく定められているため、計測器で計って作るので時間がかかります。
また、硬化剤を入れてから3時間~5時間程度で固まってしまうので、塗料を作り置きすることができません。そのため、使い切る量を作る必要があり、塗料が足りなければ再度作ります。
これらの手間がかかるため、作業時間が長くなります。
1液型は、硬化剤が混ざっている状態なので、未開封でも半年~1年程度で固まります。そのため、長期保存はできません。
2液型は、硬化剤が混ざっていないので、1液型よりも長期保蔵ができますが、硬化剤の保管環境にで注意が必要です。気温が高い場所や直射日光が当たる場所に保管すると劣化する場合があります。
劣化した硬化剤を使用すると硬化不良が起こる危険性がります。
1液型の方が価格が安く作業性が高いですが、耐久性が低く塗装できる建材が限られます。2液型は、耐久性が高く幅広い建材に塗装が可能ですが、作業性が悪い特徴があります。
それぞれに、メリットとデメリットがあり、施工内容によって使い分けることが重要です。