屋根材にはいくつもの種類があり、メンテナンス方法や費用などは異なるため、それぞれの特徴やメンテナンスについて知っておくことはとても大切です。
このページでは、アスファルトシングルの劣化症状やメンテナンス方法、費用などについて紹介します。
アスファルトシングルとは、ガラス繊維の基材にアスファルトをコーティングし、表面に石粒や砂粒を施した屋根材で、耐震性や防水性に優れているのが特徴です。
100年以上前に北米で開発され、カナダやアメリカでは高いシェア率を誇っており、日本でも少しずつ使用されるようになってきています。
アスファルトシングルの耐用年数は、20~30年程と言われております。
ただ、立地や気候などによって異なるので、10~20年ほどで色あせや剥がれなどが見られることもあり、その場合は塗装やカバー工法、葺き替えが必要になります。
変色や退色は経年劣化によって発生しますが、主な原因は紫外線や激しい温度変化の影響によるものです。塗膜の変色、退色は劣化の初期症状となります。
チョーキングとは、劣化した塗料の顔料が粉状になり、屋根材を直接触ると手に白い粉が付く現象で、経年劣化によって発生します。チョーキングは塗膜の保護機能が低下してきているサインなので、塗り替えを検討し始める時期と言えます。
コケ、藻、カビは、経年劣化に伴ってホコリ等が蓄積され、その結果アスファルトシングルが水分を溜めこんでしまうことで発生します。
特に日当たりが悪い北側や湿度の高い場所で起こりやすい症状で、放っておくとアスファルトシングル自体に大きな影響を与えてしまいます。
塗膜の膨れは、アスファルトシングルの結合部分からの雨水の侵入や、蓄熱による熱収縮などが原因で発生します。また、下地調整や下塗りが不十分だった場合でも発生することがあります。
膨れは塗膜本来の機能が失われている状態なので、早めに塗り替えをする必要があります。
アスファルトシングルは施工時に接着剤を使用するため、接着剤が劣化してアスファルトシングルが剥がれたり、浮いてしまうことがあります。
また、下地調整や洗浄が不十分だった場合でも、剥がれや浮きが発生することがあります。
アスファルトシングル自体が剥がれてしまうと、建物自体にも影響を及ぼしたり、屋根材が落ちて事故に繋がる可能性もあるので、早急に対処しましょう。
アスファルトシングル表面の石粒の剥がれが気になる場合や色あせ、汚れが見られる場合は塗装を行います。
塗装を行う場合「縁切り」と呼ばれる屋根材の重なっている部分に隙間を入れる作業が重要で、この作業が不十分だと雨漏りの原因になってしまいます。
また、アスファルトシングルの性質上、使用できる塗料は水性塗料のみで、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが一般的です。
費用は使用する塗料によって異なりますが、30万円~50万円が相場になります。
カバー工法とは既存の屋根材の上から新しい屋根材を被せる方法で、下地まで劣化が生じていない場合に行います。
屋根材が2枚重なった状態になるので、断熱性や防音性が高くなります。ただ、重量が増えてしまうデメリットがあります。
費用は50万円~120万円が相場で、新しく使用する屋根材の種類によって異なります。既存の屋根材の撤去する作業や費用がかからないため、葺き替えより費用を抑えることができます。
葺き替えとは既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材を取り付ける方法で、下地まで劣化が進んでいる場合に行います。
カバー工法のように重量が増えることはありませんが、屋根材を撤去する作業が必要なので、費用が工期がかかってしまいます。
費用は70万円~150万円が相場で、カバー工法と同様、使用する屋根材によって費用は異なります。
アスファルトシングルは、現在日本でも少しずつ使用されるようになってきている屋根材で、耐震性や防水性に優れており、20年~30年持つと言われています。
メンテナンス方法は塗装、カバー工法、葺き替えのいずれかで、劣化状況に合わせて適切な方法で行うことが大切です。
また、立地や条件によっては劣化が早く進むこともあるので、10年前後を目安に定期的に点検することをオススメします。