ガルバリウム鋼板は、カバー工法でよく用いられる屋根材で、「メンテナンスフリー」といった間違った表現が使われる場合があります。
サビに強い屋根材ですが、金属屋根の一種なので、傷などでサビが発生します。そのため、定期的な塗装が必要です。
このページでは、ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット、劣化症状、塗装料金について紹介しています。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛を主な原料にした金属板で、屋根材としては、カバー工法で用いられることが多いです。
金属の建材の中では、非常にサビに強いです。但し、傷が発生した場合や、海が近いなどの立地条件によってはサビが発生します。
ガルバリウム鋼板の重量は、日本瓦の8分の1程度、スレート屋根3分の1程度で非常に軽いです。そのため、地震の揺れによる影響を受けづらく、耐震性が高い特徴があります。
耐用年数が25~30年程度あり、耐久性が高い特徴があります。同じ金属屋根のトタンの耐用年数は、10年~20年程度です。
水はけ良いので、スレートや瓦よりも緩い勾配で設置が可能です。スレートは4寸、瓦は3寸、ガルバリウム鋼板は2寸程度の勾配が目安です。
ガルバリウム鋼板は薄いため、音や振動が伝わりやすい特徴があります。特に、屋根勾配が緩い場合は、雨音が響きやすいので注意が必要です。
但し、カバー工法は既存の屋根に新しい屋根を被せるので、雨音が響くことはありません。
ガルバリウム鋼板は薄いので断熱性能が無く、熱伝導率が高い特徴があります。そのため、夏は屋根が熱くなって、室内温度が上がりやすいです。
そのため、断熱材の設置や遮熱塗料で施工することが多いです。
ガルバリウム鋼板は、サビにくい建材ですが、塗装の劣化や傷、塩害によってサビが発生します。また、他の金属や木材と接触すると劣化する「接触腐食」が起こる場合があります。
接触腐食は、金属との接触で発生する場合は、電位によって電子が流れることが原因です。木材との接触で発生する場合は、木材の木酢液が原因で腐食が起こります。
雨風などの晒されると、経年劣化で色あせが発生します。
ガルバリウム鋼板は、塗膜によって保護されています。塗膜が劣化すると、ガルバリウム鋼板が直接雨風を受けて傷やサビが発生し、そのまま放置すると雨漏りする可能性があります。
ガルバリウム鋼板は、ケレンを行ってから塗装を行います。ケレンは、ヤスリなどでサビや、汚れを落とし、塗装面に傷を付ける作業で、塗料が密着しやくなる効果があります。
ケレンの後に、下塗りを行って、中塗りと上塗りを行います。
一般的な30坪戸建の場合、シリコン塗料で20~25万円程度、フッ素塗料で30~35万円程度が相場です。使用する塗料によっても塗装料金が変わり、上記に足場料金(15万円程度)が加算されます。
ガルバリウム鋼板の剥がれやヒビ割れ、浮きがあって、補修で対応が出来ない場合は、葺き替えかカバー工法で対応します。
ガルバリウム鋼板は、軽くて耐久性が高い屋根材で、特にカバー工法に適しています。
但し、経年劣化でサビが発生し、放置すると雨漏りに繋がる可能性があるので、塗装が必要です。塗装で対応できない劣化がある場合は、葺き替え、もしくはカバー工法で対応します。