高圧洗浄は、機械で圧縮した水を勢い良く噴射して、塗装面の汚れを取り除く作業です。
塗装面の汚れを取り除くことで、塗膜の密着を高めて、剥がれなどの施工不良を防止するので、塗装の仕上がりを左右する重要な工程です。
このページでは、高圧洗浄の費用相場、大まかな流れ、高圧洗浄機の種類、注意点を紹介しています。
外壁や屋根の塗装は、紫外線や雨風に晒されることによって劣化が進行していき、塗膜の表面が粉状になる「チョーキング現象」が発生します。また、カビや藻、旧塗膜などが付着している場合があり、汚れている状態です。
高圧洗浄はこれらの汚れを取り除く目的で行われます。塗膜の表面が汚れている状態で塗装を行うと、塗膜の密着性が悪くなり剥がれの原因になります。
高圧洗浄は、大きなバケツやタンクに貯めた水を機械で吸い上げ、圧縮して勢い良く発射します。その威力は、長靴を貫通するほどの力があります。
水道に直接繋げる方法だと、給水のスピードが遅く、安定的に水を噴射できないため、このような方法がとられています。
高圧洗浄の施工単価は、1㎡あたり100~300円で、薬品を使うバイオ洗浄は、1㎡あたり250~500円程度が相場です。
施工料金は、施工単価に施工面積をかけて計算します。
一般的な30坪の住宅の場合、外壁の塗装面積は140㎡程度なので、高圧洗浄の費用は、施工面積の140㎡×施工単価の100円~300円をかけて、14,000円~42,000円程度が相場になります。
バイオ洗浄の場合は、施工面積の140㎡×施工単価の250円~500円をかけて、35,000円~70,000円程度が相場です。
外壁塗装の工程は、1日目に足場を設置して、2日目に高圧洗浄を行う場合が多いです。
30坪程度の外壁と屋根を洗浄する場合は、約7~8時間程度かかり、そのあとに乾燥させる時間が必要になります。乾燥時間は、夏であれば、24時間程度、冬であれば48時間程度が理想です。
万が一、水分が残ったまま塗装を行うと、剥がれや硬化不良などの施工不良が発生する可能性があります。
最もスタンダードなタイプで、円錐もしくは扇状に水を噴射します。
ノズルの先端を回転させることで、渦巻き状に水を噴射します。
通常タイプよりも威力があり飛散しにくい特徴あります。威力が強いため、頑固な汚れも落とすことが出来ますが、不適切に扱うと洗浄面や人体を深く傷つける場合があります。
バイオ洗浄液を散布して、カビや藻、汚れを浮かび上がらせてから高圧洗浄を行います。頑固な汚れを除去して、洗浄後のカビや苔を予防する効果もあります。
但し、窓やサッシが科学反応をおこす可能性があるので、養生を入念に行う必要があります。また、通常の高圧洗浄よりも施工単価が高くなります。
高圧洗浄を行っても汚れを全て落とせるわけではありません。頑固な汚れやカビ、塗膜の剥がれや浮きが残っている場合は、手作業で薬品やヘラなどを使って落とす必要があります。
この工程で汚れをしっかり落とすことで、塗装の仕上がりを左右し、施工不良の防止になります。
但し、チョーキング現象の粉は、若干残る場合があります。高圧洗浄を完全に粉を落とすまで続けると、塗装面を傷つける恐れがあるため、あえて途中で止めます。若干の粉が残ったとしても、下地材で塗膜の密着をしっかり行えば、問題ありません。
高圧洗浄の水道料金は、施主の負担になります。
高圧洗浄は毎時600リットル程度の水を使い、7~8時間の作業だと、約4,200~4,800リットル程度の水を使います。
各地域によって水道料金は異なりますが、東京都23区だと、約1,500円~2,000円程度が相場になります。
大量の水を使うので、水道料金が高額になると考えがちですが、全ての施工費用と比べると、割合は非常に小さいです。
高圧洗浄は、塗装を行う前に塗装面をキレイにする重要な工程です。ここで、しっかりと汚れ等を除去できなければ、塗膜のはがれなどの施工不良に繋がります。
汚れが頑固な場合は、トルネードタイプやバイオ洗浄タイプを使用する必要があり、それでも、落としきれなかった汚れは手作業で除去します。
しっかりと洗浄を行うことが、塗膜を密着させてキレイに仕上げるポイントです。