コンクリートは、高いデザイン性だけではなく、耐火性や耐震性に優れているメリットがあります。但し、熱伝導率高いので、すぐに冷暖房が効きづらいといったデメリットもあります。
また、年月が経過すると汚れや劣化が現れるので、定期的な塗装が必要です。
このページでは、コンクリート外壁の特徴やメリットとデメリット、劣化症状や塗装方法について紹介しています。
コンクリートは、セメントに水と砂利などを混ぜた材料で、これらを木材に枠に流し込んで固めてたものがコンクリート外壁です。
非常に強度があり、耐震性や耐火性、遮音性などが優れている特徴があります。
戸建ての代表的な仕上げは、コンクリートをむき出しにする「コンクリート打ちっぱなし」です。コンクリートの質感を生かすことができるので、デザイン性を重視する際に用いられます。
マンションなどは、表面に塗装やタイルなどを施す仕上げを採用することが多いです。
コンクリートとモルタルは、どちらもセメントを主な原料にした材料です。
モルタルの方が、セメントの割合が多く砂利が含まれていないため、価格が高く強度があります。
但し、コンクリートよりもヒビ割れしやすいです。
仕上がりは、モルタルがツルツルした質感で、コンクリートはザラザラした質感です。
コンクリートは燃えない材料なので、コンクリート外壁の建物は耐火性に優れている特徴があります。
木造に比べて火災保険が安く、火災が発生しても、近隣への飛び火の可能性が低いため、敷地のギリギリまで建物を建てることができます。
コンクリートは、地震の引っ張る力や圧縮する力に強いため、耐震性が高いです。
コンクリートは、音を通しにくい特徴があります。そのため、ピアノやギターなどの楽器を演奏する場合など、大きな音を出す場所に適しています。
コンクリートは、木材に枠に流し込んで固めてて成型するので、曲線や複雑なデザインを作ることができます。
最も一般的な外壁材であるサイディングは、板状になっているため、曲線などを作ることは難しいです。
コンクリート外壁は、それ自体が建物を支えるので、柱が少ない特徴があります。そのため、木造よりも室内空間を広くすることができます。また、窓を大きくすることもできます。
コンクリートは、温度管理が非常に難しい特徴があります。施工現場で形成するため、施工業者によって品質が変わりやすいです。
コンクリート外壁は、木造よりも数倍の重量があります。そのため、強い地盤で支える必要があります。地盤が弱い場合は、地盤改良や杭の打設を行います。
コンクリートは、完全に乾くまでに3~5年の期間が必要で、その間は湿気を放出し続けます。そのため、結露やカビが発生しやすいです。
コンクリートは、熱伝導率高いため、外の熱や冷気を吸収して蓄積します。そのため、すぐに冷暖房が効きづらい特徴があります。
コンクリート打ちっぱなしは、汚れが付きやすく目立ちます。
コンクリートは、ヒビ割れや欠損、剥離といった劣化症状が現れます。これらの症状は、水が内部に浸入する恐れがあるので、注意が必要です。
内部に水が浸入すると、塗膜の剥離や膨れ、爆裂が起こる可能性があります。特に爆裂は、中の鉄筋がサビる症状で、補修に大掛かりな工事が必要になるので、注意が必要です。
コンクリートの防水機能が低下している場合は、塗装を施す必要があります。
弾性塗料は、収縮性に優れているので、クラックを防ぐのに適しています。塗りつぶしになるので、コンクリートの質感は無くなりますが、補修痕を目立たなくカバーすることができます。
1平米当たりの単価は、2,700円程度が相場で、耐久年数は8年~15年程度の場合が多いです。
撥水剤は、無色透明なのでコンクリートの質感を残すことができます。但し、耐久性が低いデメリットがあります。
1平米当たりの単価は、1,000~2,000円程度が相場で、耐久年数は2年~7年程度です。
カラークリアーは、撥水剤を塗った後に施工を行います。撥水剤だけで施工を行うよりも、耐久性が高くなります。
完全な透明ではなく、若干の色がついているため、薄い汚れなどを目立たなくすることができますが、塗り重ねると色が濃くなり、コンクリートの質感が無くなります。
1平米当たりの単価は、3,500円程度が相場で、耐久年数は5年~10年程度です。
コンクリートの質感に寄せて塗装を行う工法です。補修痕を完全に隠すことができる特徴があるので、コンクリートの質感を残して補修行う場合に適しています。
但し、高い技術力を用するので、施工ができる業者が限られます。
1平米当たりの単価は、4,500~6,500円程度が相場で、耐久年数は15年~20年程度です。
コンクリート外壁は、高いデザイン性や複雑な形状の外壁を作ることができ、耐火性や耐震性、遮音性などに優れているメリットがあります。但し、熱伝導率高い、新築から3~5年は結露やカビが発生しやすいといったデメリットもあります。
定期的なメンテナンスを行えば、キレイに保つことができるので、コンクリートの質感やデザイン性が好みの場合は、特徴を考慮して検討してみてはいかがでしょうか。