光触媒塗料といえば、セルフクリーニング機能や空気浄化効果などの効果がありますが、現在は高いシェアを誇ってたTOTOのハイドロテクトコートの生産が中止し、あまり使われなくなっています。
また、光触媒塗料そのものは機能性の高い優れた塗料なのですが、悪徳業者が単価の高い光触媒塗料を使用して、相場より高額な見積りを提示することがあるので注意が必要です。
このページでは、光触媒塗料のメリットやデメリット、単価などについて紹介するので、正しい情報を知っておくようにしましょう。
光触媒塗料とは、酸化チタンを原料とした塗料で、紫外線を受けると化学反応を促進して、汚れを分解し、雨水で洗い流すことができます。
光触媒塗料の原料となる酸化チタンが紫外線に反応すると、外壁に付着した汚れを分解して、雨が降ると雨水と汚れも一緒に洗い流します。これをセルフクリーニング機能と言います。
さらに、汚れを分解する効果によって除菌、防カビ、防藻効果も発揮されるので、汚れにくい外壁なり、長期的に綺麗な状態を保つことができます。
光触媒塗料を塗装した外壁に太陽光が当たると活性酵素が発生し、空気中に含まれる車の排気ガスや工場の排煙などの窒素酸化物を酸化させて大気中から除去してくれます。
塗料の種類にもよりますが、綺麗にできる空気の量は一般的な戸建てに塗装した場合、テニスコート4面分(約1000㎡)の緑地と同程度の空気浄化効果があり、乗用車12台分が1日に発生させる排気ガスを除去できることになります。
光触媒塗料は塗膜の劣化となる紫外線を利用して、外壁を長期的に保護するので、耐久性や耐候性に優れていると言えます。
耐用年数も高耐久のフッ素と並んで15~20年と長く、現在主流のシリコン塗料に比べて1.5~2倍ほどになります。
セルフクリーニング機能や耐久性など機能性に優れていますが、塗料の中でもグレードが高い塗料のため、単価もシリコン塗料の2倍近くかかってしまいます。
光触媒塗料に含まれる酸化チタンは、本来の色が白色であるため、鮮やかな色や濃い色を出すのが難しくなります。そのため、選べる塗料の色も、白に近い色のみになります。
セルフクリーニング機能や空気浄化効果は、太陽光が当たることで発揮されるため、日当たりの悪い場所では十分な効果を得ることができません。
また、雨が当たりにくいところや軒が長くでている家なども、汚れが洗い流されないので効果が低下してしまいます。
サビや黄砂、火山灰などの無機質の汚れを分解することができないため、セルフクリーニング機能では綺麗にできません。
また、樹液や鳥の糞など限られた部分の強固な汚れに対しても、分解する力が追いつかずに、十分な効果が発揮されないことがあります。
光触媒塗料は他の塗料と比べて、ムラなく塗装するための工法が細かく指定されており、職人の高い技術力が必要となります。
そのため、以前は講習を受けた認定店でしか塗装ができませんでした。現在は、この認定施工店制度は廃止となり、どの業者でも扱えるようになりましたが、高い技術力や知識が必要なことには変わりありません。
光触媒塗料の施工単価は、3回塗りで㎡あたり4,200~5,000円が相場です。
ハイドロテクトカラーコートは、TOTOエクセラ株式会社が開発した光触媒塗料で、2000年から販売し、高いシェアを誇った塗料になります。
ただ、ハイドロテクトカラーコートは他の塗料に比べて気候に左右されやすく、さらに施工方法も難しいため、品質を維持することが難しいものでした。
そして、不具合やクレーム等のトラブルが多くなり、2017年6月26日で生産・販売が中止となりました。
塗料名:ピュアコートANプラス
塗料メーカー:ピアレックステクノロジーズ
おおよその単価:3,500~4,000円
塗料名:エヌティオ
塗料メーカー:日本特殊塗料
おおよその単価:3,400~3,800円
塗料名:NU-COAT
塗料メーカー:ニュートラル
おおよその単価:1,800~2,500円